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今回のCESで印象的だったことは、日本人の僕が見ても日本メーカーの展示はつまらなかったこと。そしてそれはすぐ、危機感と脱力感に見舞われた。
特にテレビに関しては、これまでの自分の認識を変えないといけないかも知れない。
一番驚いたのはLGとSAMSUNGのテレビだった。既報の通り、今回の韓国メーカーのテレビのトレンドは有機EL。一度はSONYが先鞭をつけたはずの有機ELテレビは、いつの間にか韓国2社に主役を奪われていた。
ディスプレイの美しさもさることながら、度肝を抜かれたのはそのデザイン力の高さだった。どこかの記事で海外メディアの記者が「日本メーカーのデザインは古くさい」と語ったというのがあったと思うが、まさにそのままの印象を受けてしまった。
特にLGの、あの超狭額縁の大型テレビを見たときは、思わず声を上げてしまった。SAMSUNGのもしかり。目から受けるその印象は、TOSHIBAよりもPanasonicよりもSHARPよりもSONYよりも洗練されていて、どこかワクワクさせるものだった。
一方で日本メーカーはというと画面の大きさをメインに据えたSHARPをはじめ各社とも既存の液晶テレビの延長戦上にあるものとしての位置づけで、見た目のデザインもビックカメラのテレビ売り場で受ける印象と同じだった。これは有機ELテレビではないため当然なのだが、額縁は韓国2社の展示よりも大きくてこれまでと変わりがなかった。
またSMART TV関連の展示では、SONYがUnlimited系のサービスを展開することもあって力を入れており、その周辺の関連技術の展示と相まって近い将来を予感させるものだったが、その他ではどこかインパクトにかけるものがあった。
僕はまだ確認できていないのだけれど、聞いた話で残念に思ったのは、PanasonicのSMART TVの展示で使われていたスマートフォンがPanasonicのものではなかった、ということ。アメリカでは未発売のためどうしようもなかったのだろうが、競合家電メーカーのではないということでだろう、HTCのスマートフォンが使われていたとのこと。この点をとってみても、日本メーカーが出遅れているのがわかる。
そしてSMART TVの世界で重要なのは(アメリカ市場に限らず、僕は日本でもそうだなるなと思ったが)実はテレビではなくタブレットで、しかも大事なのはタブレットのデバイスそのものではなく、それで操作するアプリ(ソフト/サービス)であるということ。テレビはテレビでなくなり、スクリーン or ディスプレイになるということ。だからこそ、デザインがキーになることもわかった。
端的に言えば、ぱっと見の姿では日本メーカーのテレビはやはりテレビであり、LGやSAMSUNGのはスクリーン or ディスプレイだった。専門家ではないので見当違いな表現かもしれないが、ここが僕が強烈な印象を受けたポイントだった。
LGは日本への有機ELテレビの参入を表明した。だが、ようやく地デジ需要が落ち着いた今のタイミングは正直商機を逃しているし、買い換え需要も大きく見込めない。それゆえに、日本の家庭のリビングや居間に鎮座する大型テレビは、しばらくは現行の液晶テレビのままかもしれない。
その一方で、アメリカや韓国ではどんどん有機ELテレビに置き換えが進むかも知れないし、SMART TVをフックに家電と通信機器の需要が活発になる可能性もある。そう考えると、実はテレビの世界もまた、日本はガラパゴスの道を歩んでしまうかもしれない。
日本メーカーは足もとの日本の市場は買い換え需要が一巡してしまい、あらたな開発投資の回収先は海外に目を向けざるを得ず、その海外ではスマートフォンやSTBとの連携と有機ELというイノベーションで韓国メーカーが押さえてしまいそうであり、日本の地デジを採用する南米新興国にしか需要は期待できない気がするのだけれどどうだろうか。
誤解を恐れずに言えば、これまでLGやSAMSUNGのテレビはまったく選択肢に入っていなかった。でも、今回の展示を見てこの考えは僕の中で変わるかも知れない。額縁が小さくなった分、これまでデカデカと主張してきたメーカーロゴも小さくなり(これは日本と韓国問わず、僕は本当にやめて欲しいと思ってる)、どこのメーカーだろうとデザインがよくキレイな画質であればいいと思えるようになった。
我が家のテレビは7、8年前に買った40型のソニーのブラビア。720のフルじゃないハイビジョンテレビだが、次に買い換えるときはこれらも当然のように選択肢に入ると思う。